2013年4月14日日曜日

柏崎は建設前から敷地に活断層が見つかっていた!

川内原発の活断層隠しとボーリングコア改竄はこちら→http://takenouchimari.blogspot.jp/2014/11/scandarous-sendai-npp-to-restart.html


2008年ころに書いた記事の下書きですが、知られていない重大情報満載!

2007年の新潟県沖地震で柏崎原発にはその後IAEA調査団が来たが、「敷地内で最大2~3mの隆起が今後あり得る」と英文ではあった!ところが、保安院の翻訳版では、この一文だけ抜けていた!(この部分は、このバージョンにも抜けているし、掲載記事でも字数制限で抜けていたと思う。)当時の保安院の人しか知らないはずです。2~3mの隆起が、敷地内で重要機器の直下で起きたら、もちろん過酷事故になってしまうだろう。。。原子炉直下で傾けば、制御棒挿入不可もあり得るだろう。。。このような場合、フィルターベントなど役立たないのは自明の理である。

 

「このまま動いていいのか、日本の原発」

シリーズ1-敷地地盤そのものが変形した柏崎原発 
 
竹野内真理 
2007年7月16日の中越沖地震以来運転停止していた柏崎原発に対し、5月7日、泉田新潟県知事が、安全性を確保すると言う条件付でゴーサインを出した。中越沖地震以来、9件もの火災が発生した柏崎刈羽原発。地元住民の中には、2年前の地震がもたらした原発の配管や機器への応力やひずみにより、次に地震が起きたときには耐えられないのではないかという不安の声も大きい。原発はひとたび大事故が起きれば、取り返しのつかない事態になるのは言うまでもない。地震と原発の問題は、世界の大地震の約15%が起きるわが国では、議論しても仕切れないほどの大問題だ。今回は、柏崎刈羽原発が実は古くから抱えている地盤の問題と、立地申請許可時の同じ学者が関わった伊方原発の目前の断層問題に焦点を当てたい。
 
 
活断層専門家への脅し
 
あんた毎晩月夜の夜とは限らないよって言うくらい、松田がひとこと言うたびに何百億かのあれが変わるんですからね、あんた言葉を慎みなさいって、暗にね、そういう雰囲気だったんですよ。」活断層専門家の東大名誉教授、松田時彦氏が、柏崎刈羽原発の建設申請許可の審査当時を上記のように告白した。2008年2月17日放映、TBS報道特集の番組中のせりふである。チェルノブイリの例を出すまでもなく、地震が起きた際に最も安全性が確立していなければならない原子力発電所の建設以前に、活断層の専門家がこのような脅しを受けていたとは、衝撃的な話である。
 
この日、松田時彦氏は、東大時代の先輩にあたる地質学者で元和光大学教授の生越忠氏(現在85歳)と共にインタビューを受けた。生越氏は、長年各地の市民運動を支援をしてきた学者である。「どうしてあなたたち3人の地質学者は、原発設置許可を出したのか?」という生越氏の詰問に対し、松田氏は、「3人ではの話ですよ。生越先生には知っていただきたいのは、私は当時辞表を出したくらいに反対していたんですよ。」と答えた。この時番組では、松田氏を含む設置許可申請で許可を出した3人の地質学者にインタビューを依頼したそうだが、松田氏以外の2人は取材を拒否したそうである。(その拒否した人の一人が、後述する元通商産業省工業技術院地質調査所長、垣見俊弘氏である。)
 
松田氏には、自らが以前に30km以上あると論文にも書いた柏崎近辺の「気比ノ宮断層」が、東京電力によって17.5kmと、短く評価されてしまったという経緯がある。(ちなみに上記の垣見氏が、「17.5kmでよし」と、柏崎刈羽の原子炉設置許可取り消し請求訴訟でも住民側に主張をしていた。後にも述べるが、全長800kmの中央構造線が前面にある伊方原発でも、伊方原発に影響を及ぼす断層の長さはかつては20km、現在でも25kmしかないと、同氏は主張している。)
 
2008年9月21日の日本テレビ深夜ドキュメント番組のインタビュー内で松田氏は述べる。「(自分の活断層に関する知見が反映されないので)辞めさせてくれと言ったら、事務方が『それはちょっと困る。今辞任されたら大事って言うか騒がしくなるから辞めないでくれ。・・(中略)・忙しかったら、出なくていいから辞めないでくれ』と言われました」しかし、結局、松田氏は、原子力委員会の柏崎刈羽原発一号炉の耐震安全性を審査していた「120部会」を1977年5月10日、自主的に辞任している。
 
だが不思議なことに、昨年、このエピソードを知った新潟日報新聞社が120部会の当時の議事録を請求したところ、原子力委員会からは、「なぜないのかよくわからないが、保有していない」と回答があったという。しかし、「120部会」の事務局を勤めていた当時の旧科技庁職員二人は、「議事録は担当者が責任をもって取っていたので、ないはずはない」と言う。当時の活断層問題第一人者への「脅し、引止め、辞任、消えた議事録」。どう考えても、電力会社や国の思惑が背後にあることを想像してしまう大変不思議な出来事である。
 
東電も知っていた柏崎敷地直下の断層
 
そもそも柏崎刈羽原発の一帯は、かつての油田地帯であり、昭和の初期から詳細な地質調査がなされていた。「既に1930年に発行された地質学雑誌に、原発敷地直下に位置する真殿坂断層のことは書かれてある。」報道特集番組内で、松田氏の先輩に当たる地質学者、生越忠氏は、記述されているページの断面図を指しながら証言した。実際、その本を読むと地層断面図から断層の傾斜角度に至るまで詳細な記述がある。さらに、1949年の石油技術協会誌には、帝国石油会社の技師による「西山油田の地質構造」というタイトルの論文(1949年)で、真殿坂断層の断層運動が、地層の切られている位置より、新洪積期以降(つまり過去一万年前以降)も続いていたことが確かであると書かれている。実はこの論文は、東京電力による原子炉設置許可申請書に引用文献として掲載されている。にも係わらず、この断層の活動性については、なぜか表面的には東電も国も否定し続けているようだ。
 
実際、1975年7月及び1977年7月に東京電力による原子炉設置許可申請書に「真殿坂断層」の記述はすでに存在し、「(真殿坂断層の活動は)あってもごく小さいものと判断される」と書かれてある。つまり電力会社側からも真殿坂断層の活動性は否定されていない。いかに「活動は小さい」と言いながらも、どの程度小さいものか判然とせず、また原発敷地直下に活断層が存在するということ自体、危険な話である。しかしこの書面とは裏腹に、なぜか東電も原子力委員会も、住民からの心配の声が上がるたびに、真殿坂断層や敷地内にある複数の小断層を「活断層ではなく地すべり跡」であるとしてみたり、裁判などで住民らから具体的に追及されると「やはり活断層だったが、規模が小さいので大丈夫」と言った具合に、ころころ発言を変えている。
 
「原子炉サイトの多くの場所で断層あり」地震以前に認めた垣見氏、地震の後も責任問われず
 
真殿坂断層ばかりが問題ではない。なんと柏崎刈羽では、原子炉の支持基盤そのものの下にも小断層がたくさん存在すると言う。そもそも柏崎刈羽の住民たちが、当地の地盤が劣悪だと考えた理由のひとつは、計画段階で炉心の位置が5回も変更されたからだ。1974年10月18日、先の生越教授は地元の反対派住民と共に1号炉の試掘工に入り、直下の小断層を複数確かめ、翌日の新潟日報の一面では報じられている。原子炉設置許可の下りる3年も前の話である。
 
市民らによる執拗な追及により、ついに1977年4月9日、科学技術庁自らも、「昨年暮れに3回にわたって現地調査をした結果、用地内にも活断層があることがわかった」と認めたという。ところが科技庁は、「規模が小さく工学的には安全性十分」だとして、原発建設を推し進めていた。しかしながら、当時の科技庁職員さえも、小断層の存在を複数用地内(つまり1号炉付近)にあることを自らの調査によって認めていたことが、なぜか今もってあまり知られていない。実際後に述べるように、今回の地震では、一号炉付近で大きな地盤の変異が見られている。
 
ところで、この敷地直下に存在する小断層については、1979年より始まった柏崎刈羽の原子炉設置許可取り消し請求訴訟でも住民側より質問がなされていた。1987年12月10日の裁判の審理では、住民側が、1,2,3,4,5号炉の支持基盤に存在する小断層について質問。住民側の質問に答えた国側の専門家は、柏崎一号炉の設置許可にかかわり、先に述べた報道特集の取材を拒否した垣見俊弘氏であった。
 
以下が垣見氏の回答である。「普通断層と言うのは、規模によりますけれども、原子炉のサイトの多くの場所で認められまして、その断層そのものは、もう、一般に地すべり性の断層ではなくて構造性の断層であると言うふうに思われているものですけれども、規模が小さいために、それは安全上まあ影響がないという結論を得ているわけです」
 
そして、2007年7月の柏崎の地震発生。原子炉等の危機に直接の被害がなかったといっても、地盤の変形により、火災が生じた。この後も、垣見氏は、なんらの非難もされておらず、さらにはマスコミ上で専門家としてコメントしていたという。原発の審査では、同じ専門家が何箇所もの原発立地の許可を出しているとそうだ。柏崎の地震が起こった後も、許可を出した学者の責任が全く問われないのは首を傾げるばかりである。
 
保安院、地盤変形の考慮なしに柏崎運転再開へ
 
2008年4月22日、東電の内部資料が流出した。それによると2009年1月から柏崎刈羽原発の運転を順次再開すると言うもので、地元への理解活動をいつどのように行うか、また東電の一年間の取り組みのPRするなどのマスコミ対応が詳細に書かれてあったと言う。まずは地震に対する原発の安全性が科学的に証明されてから、運転再開というのがあるべき順番である。それ以前にスケジュールや地元やマスコミへの対策を決めてあるとは順序があべこべだ。しかも今現在でさえも、活断層の位置や長さについて、専門家の間で意見が別れている最中であるにかかわらずである。
 
先ほどの日本テレビでの深夜番組にも出てくるシーンであるが、昨年春の柏崎刈羽原発に関する県の原発技術委員会の中で、新潟大学教授の立石雅昭教授は、「もっと安全サイドに立って考えればいいというだけの話をしているのです。」というごくあたりまえの発言をした。これに対し、柏崎刈羽地震後の審査委員の一人、東京工業大学教授、衣笠義博氏は以下のように述べている。「活断層のことについては、今までもさんざんやってきたので・・・こういう非科学的議論を蒸し返してやることは、日常業務を考えても忙しいので、これ以上お付き合いしたくないと言うところが本音です」どちらが科学的でないのであろうか?絶対に大事故を起こしてはならない原発の活断層問題で、とてもありえないせりふだ。(ちなみにこの衣笠氏は、島根原発、志賀原発、六ヶ所再処理工場の活断層調査にもかかわっている。これらの施設に関しても、各地で断層問題が依然として論議されている最中である。)
 
中越沖地震においては、柏崎原発敷地内に段差や波打つアスファルト地盤、さらには建屋そのものの上下変動量のばらつきなど見られた。敷地内の隆起の最大値は60cm(一号機排気塔付近)、沈降の最大値は160cm(同じく1号機タービン建屋付近)であった。一号機周りの地盤変異が突出しているようであるが、1974年に既に発見されていた原子炉周りの小断層の存在についての議論は全く起こっていない。主要施設が入っているすべての原子炉建屋とタービン建屋も傾いたと言う。
 
今年1月に原子力安全・保安院が提出した柏崎刈羽7号機の耐震安全性に関する報告書を見ると、一見分厚い書類で、よく調査がなされているのだろうと良く中身を読まねば錯覚してしまいそうだが、実は内容は非常にあいまいな部分が混じっている。例えば、建屋のばらつきについて、なぜか「原因は明らかにすることはできない」としつつ、敷地内の断層によるものではないと断言している。敷地内の地盤が変動していることは、動かしがたい事実であるが、一方で原因は明らかにできないとしながらも、今後も安全であるというロジックは、筆者にはまったく理解できないでいる。
 
生越氏は著書、「検証・危険列島」(日本文芸社)の中で以下のように述べている。
「・・・地震時における地盤変形には、地震断層によるずれのほかに、隆起、沈降、陥没や地割れなどもあるが、これらの予測も不可能である・・・(中略)そのため、これらの地盤変形は、地震時における原発事故の重要な原因になりうるにもかかわらず、耐震設計では考慮外におかれている。原発が地震に襲われた場合、原子炉などの安全上とくに重要な設備の耐震力が一般建築物の三倍に設計されていたとしても、基礎岩盤自体が瞬時に大きく変形してしまえば、原子炉などが破壊されると言う最悪の事態が起こりうることも十分に予想されるのにである。」
 
原発再開、急ごうの産経新聞 
いずれにせよ今年に入り、柏崎刈羽原発に対する緊急停止命令は解除され、保安院からはすでに運転再開に向けたゴーサインが出されている。2月23日の産経新聞には、「柏崎刈羽原発 運転再開を確実に急ごう」という記事が掲載されている。中身を見ると、主に3つの点で、運転再開を主張している。1点目は、前回の地震で大事故に至らなかったことだが、前回が大丈夫だったので、次回地震が来ても大丈夫という理論。たまたま難を逃れるという幸運だってあるのだし、しかも、一度地震に襲われているのだから、諸系統に応力が加わっており、脆弱性が増しているのだから、次回地震に襲われたら、より危険度は増しているはずであり、安全性は簡単には確認できないはずである。2点目が、保安院の許可が下りたからということであるが、上記のように保安院はいまだに敷地地盤のばらつきの原因も明らかにできていないと自ら述べているのである。
 
3点目が、IAEAの調査も行われたということだが、IAEAが出した昨年12月の報告書を読むと、地震動特性の項目は括弧書きで不確かさを含むと書いてある。さらには以下の文言もある。「東京電力、保安院及び原子力安全基盤機構は、サイト地下での「更新世中期から後期における褶曲及び断層による累積的変異は無視しうると主張できる膨大な地質・地球物理学的資料データベースを構築している。サイトで将来の地震時に変異の起こる可能性はきわめて低く、中越沖地震で起こっていた可能性のある変異を超えるものではないと思われる。」「思われる」という語尾からも、明白にサイトの将来の更なる地盤変異を否定するものではなく、あくまで可能性の範囲で希望的予測をしているに過ぎない。
 
また、IAEAが参照した膨大な資料といっても、確かにページ数は多いようだが、肝心な部分を拾い読みすると、先ほど述べたように、IAEAが参照している保安院が提出した報告書において、肝心な敷地の地盤変異に関しては、いまだ原因不明なのである。保安院にしても、IAEAにしても、敷地地盤の変形を原因不明としたままで、柏崎の運転再開をしても安全であると言うのであれば、それは小学生が聞いてもおかしな論理展開である。(十分な論拠もなく運転再開し、さらなる事故が起きた場合は、当然のことながら推進側こそが窮地に陥るはずだと筆者は思うのだが。)
 
ところで以前、産経新聞元記者から聞いた面白い話がある。今から数年前、東海大地震が発生した際の社内取材体制に関する回覧板がきたという。そこには、「東海大地震取材体制において、非常に危険な施設は浜岡原子力発電所」と書かれてあったという。地震時の取材体制において、内部的には原発事故を警戒しながらも、読者向けには柏崎原発再開を即す産経新聞は、明らかな自己矛盾がある。マスコミは、最も広範囲に効率的に警鐘を鳴らすことができる存在である。産経新聞だけとは限らない。電力会社がスポンサーになっている場合が多い大手マスコミ各社の報道は、真実を十分に伝えていないと感じることが多い。マスコミ各社には、きちんとした科学の知見に基づいた慎重で公正な報道をして欲しいと望む。原発問題は、最悪の場合、国民の生命や環境に直結する大問題であるのだから、経済的・社会的な制約を優先させてはならないと思う。

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