2013年5月2日木曜日

大飯原発で地震が起きた際、制御棒は入るのか!?

 
 



ありました、ありました!求めていた文書!
美浜の会が詳しいものを公表していました!
これ、超大事ですよ~転載させていただきます!

大飯原発再稼働問題で、不当判決!!!
http://www.jca.apc.org/mihama/ooisaiban/takemurabengoshi_20130420.pdf

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弁護士 武村 二三夫
(不当判決許せない!高裁に即時抗告して闘おう4・20 集会での武村弁護士のお話より)
◆制御棒挿入性と活断層問題は、安全基準の中身そのもの
私は16日判決当日の記者会見で、仮処分の決定について 3つの問題点を挙げました。1つ
目は、そもそも安全性の基準がないのにある、と言っていること。2番目が制御棒の挿入時間が
基準値2.2秒以内に入らないこと。3番目が原発の重要施設が活断層の直上にあることです。
実はこの3つの問題はいずれも安全基準の問題なのです。第2の制御棒挿入性と第3の活断層
の問題は安全基準の中身なんです。だからそれを満たすということは関電が立証しなきゃいけな
い。ところがそれを満たしていないんです。しかしながら決定を見ていただくとわかりますよう
に、「一応安全性は満たしている。そこで今度は具体的危険性に関する債権者(原告)の主張を個
別に検討する」ということで、制御棒の挿入性を具体的危険性についてこちら側に立証主張責任
がある、活断層の問題もそうであると地裁は言っています。
これは違うのです。明らかに違うわけです。地裁の決定は二重にウソを言っています。1つ目
は「安全審査基準は十分いけます、満たしていますよ」と言っていることです。そして2つ目、
制御棒挿入性と活断層の問題は、安全審査基準の問題ではなく原告側が個別に具体的に主張しな
きゃいけないよ、というのです。それは明らかに問題点がすりかわっているのです。その点をご
説明したいと思います。
◆主張立証責任・・・安全性に欠けることがないことを立証すべきは事業者
我々は従前の主流とされる判例に沿った主張をしています。原発情報についての資料は国ない
し事業者が独占しています。また原発事故が起きればその影響は非常に広範であり重大なものと
なります。そのため原発訴訟においては、行政訴訟の場合は国が、民事の差止めの場合は事業者
の方が、まず「安全性に欠けることがない」ことを立証すべきとされます。これが大きなポイン
トです。その立証ができたら、初めて今度は具体的危険性があるということを、危険だという方
(原告=住民)が主張するというものです。この具体的危険性を立証することは、極めて困難で
普通はできません。「地震で危険だ」と言っても、いつ何が起きるとは言えず、地震があれば大変
ですが、それを具体的危険性と言えるかというと厳密には問題があるわけです。
◆福島原発事故により従前の安全基準が不十分だと確認された
原子炉等規正法などの法律は、原発というものは、安全基準を満たしているということで設置
が許可される、あるいは稼動が許される前提になっている。そうすると安全性の立証は、従前の
安全審査基準に適合しているということを事業者の方で言えばいいということになります。しか
し福島第一原発は従前の審査基準に適合していたはずなのに、なぜ3.11の事故が起きたので
しょうか。安全設計審査指針の27は「『短時間』の全交流電源喪失時」に耐えられればいい、と
していたわけです。福島原発事故が起きてこの「短時間」はとんでもない話だと問題になりまし
た。それだけではありませんので、従前の審査基準は耐震基準も含めて全部見直すということに
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なっています。そうすると今これで安全ですよという基準がなくなったことになります。原発の
安全確保のシステムとしてはその安全性の基準があって、それに適合するということで担保がさ
れるのです。ところが従来の安全性の基準が不十分だとわかりました。福島原発事故は何が原因
だったのかは十分に解明されていません。津波だけかどうかわからない、地震の可能性があるの
だけれど、放射能が強すぎて解明の作業自体ができない状態にあります。今、従前の基準では不
十分ということがわかりました。しかしまだ新しい基準を作ること自体できていません。だから
現在は原発について安全性が確認できていないことになります。そうすると、いつまたあの様な
事故が起きるかどうかわからないから稼動することは出来ない、私たちはこう主張していました。
◆司法は行政追従 決定の「合理性」の中身はない
行政は、福島原発事故のあと、緊急安全対策の実施を求め、ストレステストの実施を求めまし
た。それから四大臣の基準というものを作りました。この四大臣の基準は、緊急安全対策とスト
レステストを組み合わせたものでした。この緊急安全対策、ストレステストおよび四大臣の基準
を、決定は、安全基準を補完するもので合理性があると言っています。専門家や安全委員会はそ
んなこと言っていません。どうしてこのような政治的に判断ができるのでしょうか?ストレステ
ストというのは、要するに裕度を見ているだけで、崖っぷち(クリフエッジ)までにどれだけの
余裕があるかを見ているだけなので、本来の安全性とは全く異なるものです。司法がこれらの基
準を持ち出しましたが、その中身が実はぜんぜん何もできていない、ここがまさに行政追従です
よね。もう一点、福島原発事故の原因として地震の可能性があるんです。実はあの地震がどう影
響したかわかっていない。炉心溶融の前に地震動によって機器が損傷したことを示すデータも少
なくありません。ところが司法は政府事故調の報告書だけを引用し、地震の影響がないと判断し
ています。この点でも地裁は行政追従をしています。司法は自分で判断すべきことを放棄したと
いってよいと思います。
◆「制御棒は2.2秒以内に入る」「F-6活断層でない」・・・立証責任は関電にある
我々は従前の安全審査基準の中身として制御棒挿入性があると主張しています。「止める・冷や
す・閉じ込める」の原子炉の安全を確保するための三大要件です。その「止める」について、今
回の炉の場合は2.2秒以内に制御棒が入ることです。これは安全審査基準の中でも当然求めら
れていることで設置許可の要件・基準の中身なんです。ところが地裁の決定は、基準の中身と切
り離し、それを言わないで安全基準は満たしたと言いました。
安全基準を満たしているということになりますと、住民の側が「具体的な危険」の立証責任を
負います。決定は、制御棒挿入性や活断層の問題について安全基準を満たしているか、のところ
ではとりあげず、具体的な危険があるかどうか、の段階でこれを持ち出しています。安全基準の
問題ならば、これを満たすことを関電が立証しなければならない。ところが具体的危険の問題な
らば住民側が具体的危険があることについて立証責任を負担します。制御棒挿入性を満たすこと、
重要施設の直下に活断層がないことについては安全基準を満たすということで関電が立証しなけ
ればならないはずなのに、これが安全基準ではなくて具体的危険ということになりますと住民の
側で制御棒挿入性を満たしていない、重要施設の下に活断層がある、そしてそれが重大事故につ
ながり生命や身体に対する具体的危険が生ずるということを住民側が立証しなければならないの
です。つまり、決定は、立証責任をひっくり返したのです。不可能に近いことをこちらに求めた
ことになります。決定は、こういう主張立証責任について意図的にずらしているんだ、これは従
来からの判例にも違反しているんだということを明確に批判していく必要があります。


http://www.jca.apc.org/mihama/ooisaiban/souten_20130330.pdf より

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大飯3・4号仮処分裁判の争点(主に制御棒挿入性)
2013.03.30 美浜の会
■「警鐘判決」と「勝利判決」
判決で次の2点が認められれば、大飯3・4号を止めることを目指す運動にとって、有力で重要な根拠が得られたことになる(この2点を含む判決を仮に「警鐘判決」と呼ぶ)。
① FoA-FoB-熊川断層が3連動すること。
② 3連動すれば、大飯3・4号の制御棒挿入時間が評価基準値2.2秒を超えること。
さらに、原告の被ばくが認められ、運転差止が命じられる場合が「勝利判決」となる。「勝利判決」の場合は、関電の法的対抗手段を封じ込め、世論の力で、判決に従い直ちに運転停止を求めていこう。また、判決の内容として「警鐘判決」が出れば、大飯を止める運動にとって大きな意味を持つ。そのため、以下では、「警鐘判決」の意味と意義について考察する。
■「警鐘判決」によって浮上する運動の目標
★政府(原子力規制委員会)に対し、大飯3・4号の即時停止を命じるよう要求すること
評価基準値2.2秒は、大飯3・4号の設置変更許可申請書の中で次のような位置を占めている。
① 添付書類八では、制御棒駆動装置の仕様である。つまり、制御棒駆動装置が制御棒を2.2秒以内に挿入できるような性能・機能をもつべきことを規定している。
② 添付書類十では、事故解析の前提条件である。つまり、様々な設計基準事故の安全解析において、制御棒が2.2秒以内に挿入されることが前提とされ、それでもって事故が安全に収束することが解析で示されている。2.2秒を超える場合の解析は行われていない。
それゆえ運動の目標は、直ちに大飯3・4号を止めよとの要求を掲げて、全国的な大きな力を結集することとなる。
その過程で次の点も同時に問題になる。
★制御棒挿入性を棚上げにしたストレステストの判断で大飯3・4号機の稼働を認めた政府の責任を追及し、この面からも運転停止を迫ること
■制御棒挿入性の基礎知識
◆制御棒クラスタ
大飯3・4号の原子炉内には193体の燃料集合体がある。一つの燃料集合体には燃料棒が17×17の形に組まれているが、そのうち25本分は空の管なので264本の燃料棒がある。空の管の24本分には制御棒が束になって入る(残りの1本には電気ケーブルが入る)。燃料棒は直径約1cmで長さは約4mあるので、制御棒は細い管の中を約4m上下することになる。
ただし、制御棒束(クラスタ)が入る燃料集合体は193体中の53体だけである。制御棒ク
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ラスタが入る燃料集合体の真上には原子炉容器の蓋を貫いて案内管が取り付けられており、その中を制御棒クラスタの中心にある駆動軸が上下する。
◆地震動の影響による挿入の遅れ
制御棒は引き抜かれたとき、原子炉容器蓋の上方で電磁石によって固定されている。事故や地震によってトリップ信号(原子炉停止信号)が出ると、電磁石の電流が切られ、制御棒クラスタと駆動軸は重力によって自然落下する。
そのとき地震動が起こると、制御棒が通る管(シンブル)や駆動軸の案内管が激しく揺れて、落ちようとする制御棒や駆動軸に抵抗力が働く。
地震がないときでも、冷却水の抵抗などにより制御棒挿入には一定の時間(初期値)がかかるが、地震時には、ほぼ地震動の大きさ(ガル)に比例して発生する遅れ時間が加わることになる。
■裁判の経緯と争点
1.制御棒挿入性問題の基礎―現行基準地震動(700ガル)で余裕が2%しかないこと
現行の基準地震動700ガルは、下左図の2つの活断層FO-BとFO-Aの2連動で起こるとされている。その下で、制御棒挿入時間の評価値(計算値)は2.16秒で、評価基準値2.2秒との間にわずか2%の余裕しかない(下右図)。それゆえ、地震動がより大きくなれば、評価値は基準値を超えてしまうという差し迫った状況にある。この実情が制御棒挿入性問題の基礎である。
2.問題の発端―活断層3連動に関する保安院の検討指示
◆保安院指示(2012.1.27): 東北地方太平洋沖地震の知見を踏まえて、5km以上離れていても連動性を検討するよう指示。FO-BとFO-Aに加え熊川断層との3連動が焦点に。
⇒関電は2月29日の報告書で、3連動は否定しながらも、3連動時の地震動解析結果を報告。
★裁判長は3連動について、これまで疑問さえ呈したことはない。関電への求釈明の中でも、3連動は前提とされている。
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⇒裁判の経過の中で、事実として3連動は容認されている。3連動を否定すると、裁判長が行った関電への求釈明などもすべてが無に帰すことになる。
3.活断層が3連動したときの地震動評価
・当初関電は760ガルとし、保安院もそれを評価・容認していた。
・その後、関電が福井県に説明する中で、自ら1.46倍をもちだした。すなわち、1.46×700=1022ガルということになる。
★裁判のやりとりの中で、この1.46倍が事実上当然の数値となった。
4.現行評価値2.16秒をベースにとると、3連動では確実に基準値2.2秒を超える
地震動が増えると、制御棒や駆動軸が通っている管が激しく揺れるので、制御棒挿入時間が増える。制御棒挿入が地震動によって遅れる時間は、ほぼ地震加速度(ガル)に比例することは、保安院も認めている。
その結果、3連動すると右図のように挿入時間の評価値が約2.46秒になり、基準値2.2秒を超えるのは確実となる。
5.関電のあがき―その1:評価値を1.88秒に下げる―これに対する裁判長の求釈・確認
関電は、700ガルでの評価値2.16秒を何とか下げようと策動し、実は1.88秒だと主張した。この値だと上図のように、3連動でも2.2秒を超えることはない。それどころか、3連動しても1.83秒にしかならないとまで言い出した。
これにはさすがの裁判長もあきれ顔で、「普通は、地震動が増えると挿入時間も増えるのではないのですか」と法廷で尋ねる始末。
結局、裁判長の関電に対する9月5日付求釈明「1.88秒について、国の審議で妥当と評価されたとするところ、その裏付けとなる証拠を提出されたい」に対し、関電は「1.88秒についての審議はなされていない」と答えてこの件は落着した(2012.10.3関電主張書面22~23頁)。
6.評価基準値2.2秒に関する裁判長の求釈明と関電の否定見解
◆裁判長の関電に対する求釈明の核心は、次のような評価基準値の位置づけにある。
・「本件原子力発電所の許可の基準の中に、制御棒挿入時間の定めが存在したのか否か」。
・設置許可申請書で認められた2.2秒はその定めではないのか。
◆これに対し関電は「許可の基準の中に、制御棒挿入時間の定めは存在しない」と回答(2012.10.3関電主張書面)。
⇒この「定めは存在しない」論を裏付けるため、その後関電は「2.2秒は地震時には適用されない」論へと傾斜していった。これに対し原告は最後の段階で、耐震設計審査指針と設置変
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更許可申請書に基づいてきちんと反論。それに対する関電の再反論はなしで終了。
★裁判長の関電に対する求釈明は、門前払いの姿勢ではないことを示している。
7.関電のあがき―その2:評価基準値2.2秒を否定
関電は裁判長の求釈明に対し、評価基準値自体を否定する次のような主張を展開。
① 守るべき数値は2.2秒ではなく11秒だ。
②1560ガルでも「 2.2秒程度」で挿入される
⇒ 2.2秒などは問題にならない( 2.2秒を重視するのではなく)。
③2.2秒は地震時には適用されない(昨年11月21日より)。
★原告はこれらすべてに逐一反論
特に③について、最後の1月28日付書面で、耐震設計審査指針に基づいて反論
⇒それに対する関電の再反論はなしで終了。
8. 安全余裕の判断-11秒論
◆11秒とは:
・安全余裕切り縮め志向の中で導き出された金科玉条
――裁判の中で繰り返し引用され、ストレステストでも重視
・蒸気発生器伝熱管破損事故解析で、制御棒挿入時間だけを延ばした場合(他の条件は固定:感度解析)、11秒でも燃料棒破損に至らないことを確認。
●この解析は地震とはまったく無関係で、「単一故障の仮定」に立つ。
挿入に11秒もかかる巨大地震でECCSや2次側給水が成り立つ保証はない。
★判決が安全余裕をどう判断するか?
予断はできない。
(注)右囲み内でDNBRは燃料被覆管破損に関
する指標で、値が小さい方が危険
9. 1560ガルでも「2.2秒程度」で挿入されるという虚偽
◆ストレステストに関し、安全委・久木田委員長代理の質問に対する保安院回答
(2012.3.13総検第5-3号7頁)
「Ss の2 倍を超える約1,560 ガルの地震動に対して、許認可上の許容時間(2.2 秒)程度で制御棒が全挿入される」。
◆原子力安全基盤機構(JNES)の試験と解析に照らせば虚偽だ。
Ssと言っているので、下図右側の実機解析に相当し、本当は3.26秒。
試験装置(S2=473ガル)
1560ガル 2.29秒
実機解析(Ss=700ガル)
700ガル 1560ガル
2.29秒 3.26秒
JNES試験と実機解析
判断基準:11秒 DNBR=1.45
安全余裕16%
評価基準:2.2秒 DNBR=1.72
(保守的評価値:関電)
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10. 「2.2秒は地震時には適用されない」論の奇妙
裁判長の求釈明に対し「挿入時間の定めは存在しない」と答えた内容の裏付けとして、関電は11月21日付書面から主張。
◆2.2秒を超えたときの関電主張
省令62号(技術基準)
・5条⇒JEAG4601-1991⇒過渡解析⇒11秒でOKとした
・24条⇒技術基準違反⇒運転の一時停止(電事法40条)
★24条は事故時で、地震時は5条だと主張
―――事故時は地震と無関係だと主張する必要が生じたため
◆原告の反論
・24条は制御材駆動装置の性能規定-地震時でも適用。
・省令62号第5条は耐震設計審査指針に対応。
耐震設計審査指針と設置変更許可申請書には、「事故時等に起こる荷重と基準地震動Ssによる地震力とを組み合わせるべきこと」が規定。
関電自身が実際にそれに従って 2.16秒を算出し、2.16<2.2 を確認して安全評価している。
10(補足).省令62号(技術基準)
第5条(耐震性)
解釈1 「地震時にも敷地周辺の公衆に放射線の影響を与えないとの観点から、・・・
・・・②原子炉の安全停止・・・等に必要な設備の機能維持又は構造強度の確保を解析
等により確認すること」。
解釈2 「・・・旧耐震設計審査指針に適合すること。具体的な評価手法については、日
本電気協会電気技術指針・・・及び「原子力発電所耐震設計技術指針(追補版)」
(JEAG4601・1991)によること」。
解説1 「第5条は、安全設計審査指針の「指針2 自然現象に対する設計上の考慮」
(第1項)及び発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針に対応する」。
⇒耐震設計審査指針に適合すること⇒事故荷重と地震力とを組み合わせること
第24条(制御材駆動装置)
一 原子炉の特性に適合した速度で制御材を駆動できるものであること。
解釈1 「・・・ ここで、緊急停止時の制御棒の挿入時間は、設置許可申請書添付書
類八の仕様及び添付書類十における運転時の異常な過渡変化及び事故の評価で
設定した時間を満たしていること」。
⇒2.2秒を超えれば技術基準第24条違反
11.国の責任―制御棒の危険を封じ込めて稼働許可
◆関電は国の判断について、主張書面で次のように記述。
「3連動の場合の制御棒挿入時間を算定する必要はない。現に、3連動の場合の具体的な制御棒挿入時間(秒数)について説明することなく、国等から本件発電所の再稼働に対する同意が得られている」(2013.1.18 関電書面10頁)。
■制御棒挿入性に関する国の態度
◆ストレステスト
・制御棒挿入性は「裕度評価対象外とした」-ストレステストの対象外。
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―――JNES(原子力安全基盤機構)の機器耐力試験による。
・11秒論及び「1560ガルでも2.2秒程度」論で制御棒挿入性をごまかした。
⇒4閣僚判断で大飯3・4号の稼働を容認
12.国に対する要求
■直ちに大飯3・4号を止めること
★2.2秒超は、技術基準24条・設置変更許可申請書違反
◆添付書類八で、制御棒駆動装置の仕様として2.2秒が規定
◆添付書類十で、事故解析の前提条件として2.2秒が規定
⇒ 2.2秒を超えないように、何らかの措置をとる必要がある。
電気事業法第40条により、一時停止を含む措置がとられるべき(技術基準違反:行政訴訟で国は認めている)。
13.敷地内断層の問題
活断層の存在が否定されていない現状で、安全審査の手引きに依拠して判断を下すかどうかが問題。
「活断層が存在する可能性が推定される場合は、・・・安全側の判断を行うこと」。
「後期更新世以降の累積的な地殻変動が否定できず、・・・断層運動が原因であることが否定できない場合・・・活断層を適切に想定する」。
熊川断層が小浜湾内の右図・双児崎の少し南の位置まで来ていることは保安院も昨年8月末に認めている。中田氏の調査により双児崎の先端部分を活断層が横切っていることが確認された。FO-Aが熊川断層とつながっていることは間違いない。
渡辺満久氏の説によれば、そのFO-A―熊川連続線を境に西側は隆起(UP)し、その隆起状態の西端が大飯原発敷地内の破砕帯と関連している可能性がある。その場合、活断層3連動によって起こる地震波が大飯原発の立つ岩盤に約1000ガルの地震動を引き起こし、同時に敷地内破砕帯が地盤のズレを引き起こして重要配管などを引きちぎる。この両作用の重なりによって、大飯原発は過酷事故を引き起こすことになる。
■唯一稼働している大飯3・4号に対し 2.2秒超の判決が出れば 直ちに国との交渉を準備しよう
大きな世論をつくり、結集して 大飯3・4号の停止をかちとろう
渡辺満久氏資料より
渡辺満久氏資料より
FO-Aの南端
双児崎

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そしてこちらも
http://www.jca.apc.org/mihama/ooisaiban/souten_siryou2_20130330.pdf

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[大飯原発裁判資料2] ストレステストの中での制御棒挿入性
2013.03.20 美浜の会
「原子力安全基盤機構における検討から、設計に用いる地震動を大きく超えるような地震動(Ss の2 倍を超える約1,560 ガルの地震動)に対して、許認可上の許容時間(2.2 秒)程度で制御棒が全挿入される」と言ったのは、安全委員会の久木田委員長代理による質問に答えた保安院の回答である(本資料4頁参照)。「Ssの2倍」という表現は、基盤機構の試験自体ではなく、試験結果に基づく実機の解析結果を指している。その場合、挿入時間は2.2秒ではなく3.26秒なので保安院の主張は虚偽となる。
それ以前のストレステスト関連では、関電も保安院も「2.2秒程度」とは言わず、単に「全挿入」と言っていた。保安院が久木田質問への回答で虚偽を用いてまで自らを正当化したようだ。
■経過
・2011年10月28日:関電より大飯3号に関する報告書を提出。
耐震関係は添付5-(1)
・2012年2月13日:原子力安全・保安院より審査書
⇒安全委員会検討会で検討。
・2012年3月7日付で安全委・久木田委員長代理より質問
「制御棒挿入性についての検討結果を示すこと」。
・これに対する原子力安全・保安院の回答が3月13日付総検第5-3号7頁に掲載。
http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/senmon/shidai/hatsudensougou/hatsudensougou005/siryo3.pdf
・この保安院回答は、大飯3・4号差止裁判の中で次のように引用されている。
仮処分(関電):乙25号7頁
行政訴訟(国):乙14号7頁(同時に、乙9号として上記審査書も)
■総検第5-3号7頁の久木田質問に対する保安院回答
・「制御棒挿入性については、今回の評価において関西電力より、耐震裕度が十分に大きいことのデータとして以下が示されている。
原子力安全基盤機構の機器耐力試験では、大規模加振条件下で制御棒挿入試験が実施された。それによれば、実機サイトのS2 包絡波(473gal)の3.3 倍までの実験を行い、許認可上の許容時間(2.2 秒)程度で問題なく挿入されることが確認されている」。
・「当院は、許容値である挿入時間そのものが余裕を持った設定であることを踏まえた上で、上記の原子力安全基盤機構における検討から、設計に用いる地震動を大きく超えるような地震動(Ss の2 倍を超える約1,560 ガルの地震動)に対して、許認可上の許容時間(2.2 秒)程度で制御棒が全挿入されると共に・・・制御棒挿入性評価においては相当の耐震裕度が存在するものと考えている(添付―1)」。
(注)関電よりのデータとしている最初の文章の「許認可上の許容時間(2.2秒)程度」は、関電の報告書には見あたらない。「当院は」の中では、S2ではなくSsを取り上げているので、大飯3・4号の実機条件を問題にしている。この場合は、試験自体ではなく、試験に基づくJNESの解析結果に基づいている。
■関電のストレステスト報告書と保安院の審査書の記述
◆関電の2011年10月28日付報告書―添付5-(1)
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http://www.kepco.co.jp/pressre/2011/pdf/1028_1j_5_1.pdf
A.「3.機器・配管系の耐震裕度評価」 (添付5一(1)一3)
「(1)評価概要
Sクラスの設備ならびに、BCクラス設備のうち、その破損がSクラス設備に波及的破損を生じさせ、燃料の重大な損傷に関係し得るおそれがある設備を対象とした構造強度評価結果から耐震裕度を評価する。また、Sクラス設備のうち、ポンプ、弁および制御棒等の地震時の動的機能が要求される機器については動的機能維持評価結果から耐震裕度を評価する。ただし、今回の評価に影響を及ぼさないと考えられる設備(Sクラス設備を含む)あるいは、設備の構成部位間の裕度の関係やこれまでの評価実績に基づく工学的判断により、耐震裕度が大きいことが明らかな設備については耐震裕度評価を省略する」。
B.「クリフエッジ評価において耐震裕度を算定しない設備について」 (添付5一(1)一9)
「以下の設備については、
① 地震により安全機能の喪失に至ることが極めて考えにくい(2.支持構造物、3.クレーン、4.原子炉トリップ遮断器)
② 安全機能を失うまでの裕度という観点で耐震裕度が相当あり、少なくとも既往の知見等から2倍以上の裕度が存在することが明らかである(1.制御棒挿入性および関連する設備、2.支持構造物)
の理由により、今回のクリフエッジ評価において、結果に影響を及ぼすことはないことから、裕度評価対象外とした。
1.制御棒挿入性および関連する設備
制御棒挿入維持の機能に関しては多度津の大型振動台の加振限界である3.3S2までの実験を実施し、それら実験結果に基づく実機条件での解析を行い、制御棒が全挿入されること、挿入経路の各設備(制御棒駆動装置、制御棒クラスタ案内管、燃料集合体)について、構造強度面での耐力評価で余裕の非常に大きいことが示されている。(以下(1)を参照)
また、制御棒挿入時間の評価基準値は、安全解析の計算条件に用いている制御棒挿入時間を流用しているものであるが、安全解析における判断基準(燃料棒被覆管最高温度、最小DNBR)に達するまで制御棒挿入が遅れると仮定した場合の解析評価により、相当の余裕があることが、原子力安全委員会原子炉安全専門審査会(以下「原安委炉安審」という。)における検討で示されている。(以下(2)を参照)
(後略)
(1)JNES機器耐力試験
平成17年度JNES機器耐力試験(PWR制御棒挿入試験)において、大規模加振条件下で制御棒挿入試験を実施しており、実機サイトのS2包絡波(473gal)の3.3倍までの条件でも制御棒が正常に挿入され、挿入経路の構造健全性についても以下のとおり問題ないことが確認されている。
(2)原安委炉安審における制御棒挿入にかかる安全余裕の検討
原安委炉安審の「制御棒挿入に係る安全余裕検討部会」において、制御棒挿入による原子炉緊急停止に係る安全余裕明確化の検討が行われている。検討では制御棒挿入時間を変えた感度解析によ
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り余裕を評価しており、安全解析上の制限値(燃料棒被覆管最高温度1200℃、最小DNBR1.45)に到達するのは2ループプラント(安全解析の想定条件1.8秒)は9秒程度、3ループ型プラント(同1.8秒)は7秒程度、4ループ型プラント(同2.2秒)は11秒程度であった」。
◆原子力安全・保安院の審査書(2012.2.13) 19~20頁
http://www.meti.go.jp/press/2011/02/20120213001/20120213001-3.pdf
「(2)検討対象設備について
関西電力は、評価対象とする建屋、系統、機器(以下「設備等」という。)を、燃料の重大な損傷に係わる耐震S クラス設備及びその他のクラスの設備等とし、各起因事象に直接関係する設備等に加え、フロントライン系(各イベントツリーの安全機能の達成に直接必要な緩和機能)及びサポート系(フロントライン系を機能させるために必要な電源や冷却水等を供給する機能)のそれぞれに必要な設備等を抽出したとしている。
なお、耐震S クラスの設備等のうち、「支持構造物」、「クレーン」及び「原子炉トリップ遮断器」については、地震により安全機能の喪失に至ることが極めて考えにくいこと、また、「制御棒挿入性及び関連する設備」及び「支持構造物」については、安全機能を失うまでの耐震裕度について、既往の知見等から尐なくとも2倍以上の裕度が存在することが明らかであることから、これらの設備については、ストレステスト結果に影響を及ぼすことはないとし、裕度評価の対象外としたとしている。
当院は、全ての耐震S クラス設備等、緊急安全対策等で整備された設備及び機能を期待する下位クラス設備等の中から、燃料の重大な損傷に係わる設備等が裕度評価の対象として選定されているか、一部の耐震S クラス設備等を対象外としていることは適切かということについて、その妥当性を確認した。
具体的には、耐震裕度評価における対象設備の選定の考え方、選定プロセスの妥当性を確認した上で、全ての耐震S クラス設備等、緊急安全対策等で整備された設備及び機能を期待する下位クラス設備等について、損傷モード(構造的な損傷、機能的な損傷等)、Ss に対して発生する応力等の値、許容値等を確認した。また、耐震裕度評価の対象外とされた耐震S クラス設備については、対象外として扱う具体的な理由と根拠が妥当であることを確認した。その結果は以下のとおりである。
◎ 耐震裕度評価の対象外とされた耐震S クラス設備等については、地震の揺れに伴う荷重や変形等が安全機能喪失に直接に結びつくものではなく、かつ、安全機能の喪失や波及的影響の発生に至るまでに大きな余裕がありストレステストの結果に影響を及ぼさないことを、既往の試験や解析の成果等によって確認した。詳細は以下のとおりである。なお、安全機能の喪失や波及的影響の発生に至るまでの余裕が2 倍のSs 以上あれば、後述(「5.2 クリフエッジの特定」)のとおりクリフエッジとして特定した設備の耐震裕度である1.8 倍のSs を上回っていることから、ストレステストの結果に影響を及ぼさないものとして扱った。
○ 「制御棒挿入性及び関連する設備」については、既往の制御棒挿入試験や実機条件での解析結果を基に、設計に用いる地震動を大きく超えるような地震動(Ss の2 倍を超える約1,560 ガルの地震動)に対して制御棒が全挿入されること、挿入経路の設備(制御棒駆動装置、制御棒クラスタ案内管、燃料集合体)について構造強度面での耐力評価に大きな余裕(Ss の3 倍を超える約2,100 ガル以上の地震動に対する発生応力が許容値以内)があること等が確認されている。
(注)上記の関電報告書及び保安院審査書では、Ssの2倍を超える1560ガルでは「制御棒が全挿入される」というところまでしか言っていない。2.2秒程度という言葉は見あたらない。
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[資料:総検第5-3号7頁――久木田質問に対する保安院回答 2012.03.13]

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